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小 説

『半夏生の頃』立花れい香の日記 【中学生編】4.思春期 ③

小 説

【中学生編】4.思春期 ③

期末テストが終わると夏休み前の短縮授業が始まった。
終会が済んで帰り支度をしていると突然D君に声をかけられた。

「日曜日家に来ない?」
「え…?うんっ、いいよっ!他にも…誰か、来る?」
「ううん、立花しか誘ってない」

これって、もしかして?付き合うってこと??

驚きと感激と嬉しさで天にも昇る気持ちだった。

D君と私が喋っているのを見ていた数名の女子達がこちらを見てヒソヒソと内緒話を始めた。

どうせ女子からはもう嫌われているんだし、D君に誘われて有頂天の私にとってそんなことどうでも良かった。

毎週土曜日は午前中の授業が終わった後、そのまま実家に行って泊まることになっているのだけれど、日曜日に家を出る時にお母さんがうるさく詮索してきそうな気がしたので

「日曜日にプールの大掃除があるから今週は帰らないよ」

と実家に電話してお母さんに嘘をついた。

同じクラスの水泳部の女子が「日曜日にプール掃除がある」と話していたので、もしお母さんが学校に見に来たとしても適当にごまかせるだろうと考えた。

土曜日は一限目からソワソワして落ち着かなかった。

明日どこに行けばいいんだろう?

ずっとそのことを考えていたから授業が全然頭に入らなかった。

四限目になってもD君はまだ何も言ってこない。

約束したの忘れちゃったのかなぁ…。

そう思うと悲しかった。

私はトイレの掃除当番だったので早く済ませたかったのだけれど他の女子は終会の後さっさと帰ってしまった。

一人で掃除と消毒まで済ませ、掃除道具を片づけていたらずいぶん遅くなってしまい、急いで教室に戻った時にはもうD君の鞄はなかった。

落胆して帰ろうとしたらD君が下駄箱の所にいた。

「立花、遅いー」

え?私を待っていてくれたの?

「D君ごめんっ!掃除当番だったから」
「どうせハブられたんだろ?立花は要領悪いよなあ」

D君はそう言って少し笑った。

私のこと、ちゃんと見てくれてるんだ

そう思うと恥ずかしいような嬉しいような不思議な気持ちになってD君に対して心から素直になれた。

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